この言葉は、道元禅師が『正法眼蔵』の中で、仰山慧寂禅師(814-890)の遺された「作磨生是妙淨明心、山河大地、日月星辰」という文を引用して説かれた一節です。
『正法眼蔵』の中には「仏性」「法性」「説心説性」「諸法実相」等、「心」を主題にしている巻が多く、表題の句は「即心是仏」の巻に収録されています。
道元禅師は、理心(佛心・清浄心)の現れとしての「事」そのものになりきること、つまり日常の行いそのものがそのまま仏法であり、いかなる分別妄想があろうが、自分にとって不都合なことや考え、あるいは望ましいことや好ましい考えがあっても、それらにとらわれず、すなわち避けず、求めず、ただ、今ここで、法に基づき必要なことを事実に従ってなしていくことが大切である。それが、仏道の要諦であると説いているのです。