曹洞宗 貞昌院 Teishoin Temple, Yokohama, Japan
坐禅は、できるだけ坐禅堂で、正式な指導者のもとで行うのが望ましいのです。
日頃の自由な生活から切り離された雰囲気の中で自分を見つめることができるからです。
けれども、なかなか参加できる場や時間がない場合には、まず、自分の部屋で坐ることを試みるのも一つの方法かもしれません。
正法眼蔵坐禅儀を読むと、坐禅の心構えについて道元禅師がどのように考えていたのか、分かるようになります。坐禅の後にでも、ぜひ読んでみてください。
1.叉手(しゃしゅ) |
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坐禅堂の周辺、中をあるく場合は、叉手をする。まず左手の親指をにぎりこみ、外側から右手で覆う。両ひじはすこし張って、みぞおちのあたりに水平におきます。 |
2.入堂・隣位問訊 |
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坐禅堂に入るときには叉手のまま入堂します。自分の位置についたら、坐位に向かって、合掌低頭をする。これは、 両隣に坐る人への無言の挨拶です。 |
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3.対座問訊 |
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まわりに転じて、坐位を背にして合掌低頭をする。これは、対坐する人への無言の挨拶であり、隣位問訊、対座問訊ともに人がいなくても行うこと。 |
4.結跏趺坐(けっかふざ) |
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坐蒲(尻の下に敷く、パンヤをつめた円形の厚い敷物)の上に、背骨が坐蒲の中央に来るように、浅く腰をおろす。まず、右の足を持って、左のももの上に置き、次に左の足を右のももに乗せる。あまり深く組み合わせないこと。両ひざは水平に、畳につける。 | |
5.半跏趺坐(はんかふざ) |
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結跏が組めなくても、左の足を右のももの上にし、両ひざを水平に畳につけるだけでも良い。ひざが浮き上がらないように注意すること。 |
6.調身 |
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坐禅は、姿勢を正しくすることが必要です。腰を据え、背骨を伸ばし、頭の先を天に突き上げるようにする。肩や胸や腹に力が入らないようにし、口を閉じます。 |
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7.法界定印(ほっかいじょういん) |
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右手の掌を上に向て、自然に下肢部の上に置き、左手の掌を上に向けてこれに重ね、左手の親指が水平に軽く接するようにする。 |
8.視線 |
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目は、特に半眼にするのではなく、自然の状態で、45度下向きの方向に視線を向ける。特定のものを凝視してはいけません。また、目を閉じないこと。 | |
9.欠気一息(かんきいっそく) |
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次に息を大きく吸い込み、徐々に吐き出す。これが、欠気一息です。吐き出すのは、吸い込んだ量の8割程にし、これを数回繰り返して、次第に自然な自分の呼吸に整えていきます。 |
10.左右揺振 |
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上体を左右に数回揺り動かす。最初は大きく、次第に小さく、上体を中心にぴたりと静止させる。坐禅から起きる時には、逆に小から大へと揺振をする。 | |
11.調心 |
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坐禅は、精神統一を求めるものではない。無念無想になるのでもない。雑念や妄想を一切相手にせず、生ずるに任せ、滅するに任せることが大切です。 |
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12.鐘 |
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坐禅の開始と終わりは、鐘で合図をします。坐禅の開始は、鐘が3度鳴り、これを止静(しじょう)鐘といいます。坐禅の終わりは、鐘が2度鳴り、これを経行(きんひん)鐘といいます。経行の終わりは、鐘が1度、これを抽解(ちゅうかい)鐘といいます。そして、坐禅の終了は鐘が1度鳴り、これを放禅(ほうぜん)鐘といいます。 禅の鳴らし物 mpeg files |
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13警策(きょうさく) |
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坐禅が純に持続できるように、修行者を策励する棒(警策)をもって巡回する係がある。警策を受ける時は、自分で請求する場合と、与えられる場合がある。警策を受ける場合は、まず肩に軽く触れるので、合掌し、頭を軽く左に傾ける。警策を受けたら、合掌低頭し、感謝の意を表し、頭をもどす。警策を与えたものも警策を横にして合掌する。 |
14.経行(きんひん) |
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長時間に渡る坐禅の合間に経行が行われる。経行鐘が鳴ったら、坐禅を解き、隣位問訊、対座問訊の後、叉手にて、堂内をゆっくり歩く。一呼吸毎に右足から半歩ずつ歩む。吸って吐く呼吸の区切りに片足ずつ半歩すすめる。鐘が一度鳴ったら、経行をやめ、叉手低頭して普通の早さで自位にもどる。 | |
15.退堂 |
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放禅鐘が鳴ったら、左右揺身して、ゆっくり坐禅を解く。隣位問訊、対座問訊の後、叉手にて退堂する。 |
坐禅をする部屋は、なるべく静かで、清潔な部屋を選びましょう。照明は、明るすぎず、暗すぎず。
服装は十分にゆとりのあるものを。簡素で清潔なものがよい。原則として、素足で、装身具は身に付けません。
坐禅のときに、姿勢を正すため、尻の下に敷くパンヤをつめた厚い敷物のことを坐蒲といいます。なければ座布団を、背筋が伸びるように、2つか3つに折って代用します。壁と1メートル程離れて向かい合うように置きます。
たとえ、ひとりであっても、坐禅をする場合の作法として、省略しないこと。
坐蒲の右を通り、座につきます。両ひざは床につけます。ここからの作法は、坐禅堂での作法と同じです。
一区切り(正式には50分程ですが、初めは自分のペースで)坐ったら、左右揺身の後、静かに坐を立ち、正面をむいたまま右まわりに後ずさりして坐蒲の後にいたります。
最後に隣位問訊、対座問訊をして終わりです。
イラストは、曹洞宗宗務庁パンフレットによりました。
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